Vol.19 ~トランプ氏が勝利したアメリカで、多くの人が「安全ピン」を身につけている理由~

参考記事: http://www.huffingtonpost.jp/…/reason-you-might-start-seein…

 

あれから、1週間が過ぎました。実際に任期が始まる2017年1月20日までマスコミのネタは尽きることはないでしょう。

上半期講演会では、イギリスのEU離脱を問う国民投票の結果を予想しました。下半期講演会では、アメリカ大統領選の結果を予想しました。そして、両方とも、私の予想は見事外れました( ´△`)。

私の予想は、それぞれの国民の気持ちや立場を考えてというより、それぞれの国民の世界に対する「性善説」に重きを置いての予想でした。こうあって欲しいという願望を含めて。。。

しかし、英国国民はヨーロッパの協調性より今ある自国の安定を選びました。アメリカ国民はグローバル化より今ある自国の満足を選びました。勿論、両選挙とも死票が多いので、この結果が両全国民の意思ではありませんが、「最大多数の最大幸福」が正当とされる選挙の結果において、国民は「決定」の中でベストな生き方を探らねばいけないのが民主主義なのでしょう。

1980年代末、冷戦終結の流れの中で、二極化していた世界は統一の流れを見せ、1991年のソ連崩壊でアメリカ一極のグローバル化が進められました。しかし、世界の詳細を読み間違えたアメリカは、「単独行動主義」という短絡的な軍事介入を続け、イスラーム世界の反感を買いました。さらに、アメリカを中心に指導された急速なグローバル化は、変化についていけない人々の不満を買いました。そのことは、四半世紀たった今、経済的にも、治安的にも、世界に不安を広げています。

離脱を選んだ過半数のイギリス国民や、トランプ氏を選んだアメリカ国民は、こうしたグローバル化で痛みを感じ、今のままではイヤなので変えて欲しいという感情に満ちていたはずです。
しかし、この選択で遠い未来がどう変わるかなどを理解できているはずもなく、近い将来の目先の満足に走った結果であったと言えます。

この二大国家の選択は、間違いなく、世界のグローバリズムを崩すスタートになるでしょう。まずは、それぞれの国内を分裂させ、火種を世界へ飛び散らせます。
世界史の流れから、このままでは、2030~40年頃には大きな対立になってしまい、世界に大きな溝を生み出すことになってしまうでしょう

きっと、平和主義者の言葉を借りれば、グローバル化は「善」で「セクシュナリズム(ナシュナリズム)」は「悪」になるでしょうね?

しかし、私の答えは否です。

対立の根源は、考え方の違いにあるのではなく、異なる考え方を受け入れられない許容性にあるということを忘れてはいけません。

今、世界の人々か選択せねばいけないことは、「主張する民主主義」か「民主主義で決まった結果を受け入れる」かの二択です。まずは、英米の国民がこの先、どちらを選択していくかから始まります。その中で、一方が傲らず、一方も許せば、世界の不安定は解消されるのです。
しかし、少なくとも、世界の流れは「セクシュナリズム(ナシュナリズム)」にあることを、今、無関係な国民も認識するべきでしょう。対岸の火事では決してないからです。

「人間のエゴ」は、「自分の利を重視する」ことにあるのではなく、「お前、自分さえ良ければいいと思っているんだろっ」という「デリカシーの欠如」に現れます。

すべての選択にすべての人間が是となるモノはありません。相手の主張をまず聞き、
できる限り、干渉・対立を避けられる道を探ることから始める。もし、協調できるところがなければ、距離を置いて、期を待ち、生きるしか道はありません。それを「妥協」と言うならば、「平和」なんて言葉を口にするべきではないのです。

「争い」の始まりが、「短気な決断」と「強い主張」にあったことを、過去の歴史から学ばねばいけない時が来ています。

 

Please follow and like us:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です