3月のピックアップ

また、テロの話題になってしまいました。残念なことです。敢えて、違う話題にとも思いましたが、関心が向けられているのに無視するようなコラムは微妙と思い、再度この話題にします。できれば、来月は違う話題のコラムを書きたいものです。
さて、「テロ」は、フランス語の「La Terreur」が語源とされています(諸説あり)。この言葉は、最初フランス革命中のロベスピエールの「恐怖政治」が始まりです。相手を恐怖に陥れることで、こちらの要求を飲ませ、発言権を得る行動を言うのです。ですから、基本強い力を持たぬモノが恐怖心と言う武器を使って行動を正当化させようとするもので、形を変えた“命を代償とする「パワハラ」”に類似と思われます。
しかし、昨今の「テロ」には種類があることを理解しなければなりません。もし、「テロ」のすべてを一色単に扱えば、その対策や対応にミスが生じることを注意せねばいけないのです。 ①クルド人の自治を認めないトルコ政府に対してクルディスタン労働党(PKK)の過激メンバーが起こすテロ(*スペイン政府に対して、バスク祖国と自由(ETA)の過激メンバーが起こすテロなども同様)、②シリア難民に紛れ込んだISのテロリスト戦闘員が起こす自爆テロ。そして、③今回パリやブリュッセルで起きたようにISの思想伝道の影響を受けテロリストに変貌した人間が起こすテロ。①はトルコ政府の対応で鎮静化できます。②はIS自体が勢力を弱めつつある中、本体自体が崩壊すれば鎮静化は早いでしょう。しかし、③の根本は差別や貧困からの社会不満が原因にあるため、IS本体がなくなっても、ISに代わるカルト的集団が出現すれば同じ現象は必ず復活するでしょう。 観光客やそこに住む人間にはどんな種類だろうが、巻き込まれる可能性がある以上、テロに対する恐怖心に変わりはありません。しかし、政治家やマスコミはそれを理解し、対策や対応を的確に行わねば、ただ恐怖に怯える人々の不安を膨張させ、それはいつしか社会的ストレスを引き起こし、新たな社会不満を生み出す悪循環となるでしょう。 なぜ、今回の一連の「テロ」の動きの中で、日本では「テロ」が起きないのでしょうか?日本でおきる可能性が最も高いのは③のテロだからです。しかし、テロが実際に起こってしまっている地域ほど社会不満が高い国ではない日本は、やや無縁のように思えるところはあります。しかし、着実に「オカシイ」人間は日本でも増えつつあり、社会不満が蔓延してもおかしくない環境にあるのです。
今の日本は、怯え、「警戒」を高めると同時に、今のうちに「テロ」を起こすだろう社会不満の芽を摘み取ることが大切なのです。
選挙に命を賭ける議員さん、自らの生活がかかってるのは分かりますが、好きで始めたお仕事なのですから、お金を掛けて警備会社に任せるだけでなく、人々の心のケアを考える政治政策に取り組まねばいけないのです。票集めのため・・・・。これは、ベルギーの二の前になりますのでご承知おき下さい。

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